製本業に手を染める

 


 4月から月2回の手製本の基礎講習に通い始めた。前回で3回目。飽きっぽい自分にできるだろうかと不安だったがまったくの杞憂。レッスンの日が待ち遠しい。スタートレッスンは中綴じ本。B5の紙を4枚重ねて谷折りする。それを10組作ると、4××10=80枚、両面で160ページのB6冊子になる。10.5ポイント文字を使い、1ページ当たりの字数を700字程度にレイアウトして印刷すると、原稿用紙280枚分のれっきとした本ができる。
 印刷に手を染めるのはまだ早すぎるというお叱りを覚悟しながら、ワードで、「黒猫とのの冒険」の印刷を無事やり遂げた。ところがB4の表紙にタイトルを印刷する段になって、家のプリンターが最大A4対応だと気がついた。一計を巡らし、B4用紙の長辺の端を3センチ弱カットして、プリンターにセット。何とか引っかからないように印刷できた。
 奥付を見ると、「2013年6月第1刷発行」という文字。手探りで人生を渡っている中、出版社を立ち上げ、見よう見まねの冊子を作り、無謀にも初出版本として店頭に並べようと企てたのだ。それから5年経ったが、出版業のほかに文章を書き、製本業にまで手を染めようとは、ちょっと道楽が過ぎるのでは、というご意見に耳を貸すような私ではない。(2018.5)